デザイン経営の核心

デザイン経営の核心 9

コラボ事業の成功と不成功

もうずいぶん前からコラボによる商品開発の流行が続いていますが、成功するコラボの一方で不成功に終わるコラボも多く見受けられます。

その成功失敗の結果をもたらす要因原因は何でしょうか…?

それが今日のレポートこのブログのテーマです。これは昨日たまたま目にした日経トレンディの記事からの抜粋です。

デザイナー/ジル・サンダーとユニクロのコラボについてのレポートです。

ジル・サンダーのこだわり、一見するとシンプルな構築美を表現しているようで、パターンや縫製も含めてディテールまで徹底して追求する。それが身に着けたときのフィット感や、独特なシルエットを作り上げている。創造力と技術力に対し、厳しいまなざしを持ったデザイナー。一方でユニクロは
LifeWear=美意識のある合理性を持ち、シンプルで上質、細部への工夫に満ちている。生活ニーズから考え抜かれ、進化し続ける普段着
ジル・サンダーの「ファーストリテイリングの交渉力や国内外の流通ネットワークによって、高品質なデザインを大衆向けの価格で作ることができる」というコメントが、これをよく表している。

一方H&Mとギャルソンのコラボ。これは失敗か?安さとトレンドのデザインが売りのSPA製造小売りH&Mがギャルソンのデザインをのせて洋服や雑貨のコラボ生産販売を表参道の店舗オープンに合わせて仕掛けました。出来上がった製品は話題性を振りまくデザイン張りぼての客寄せ仕掛けレベルのモノたちです。これを購入し一度は手にとおしたものの、そのチープさを感じたがゆえに何度も手にとおすことはなかったという落胆のレポート。

やはり大切なことは理念や美意識を共有できる者同士が組んでやらないといけないということです。話題性のために協奏し合えることの無いものどうしが組むコラボは記事ネタとしての面白さはあってもそのミスマッチの結果パフォーマンスを期待する消費者を裏切ることになる。ただただ客寄せの話題性の提供と言いう一瞬の利益のために将来的なコラボの発展性が閉ざされ、その結果は長い目で見れば不成功ということになります。

SDGsの取り組みもそうだと思います。このようなトレンドや流行に乗ろうと見せかけだけの環境というお化粧を施したプロモーション、例えばSDGsな新ブランドというようにコピーされた製品が多く出まわってきていることにも疑問を感じます。

ideacoにはニトリさんとコラボした製品があります。ニトリさんとのお付き合いは現ニトリホールディングス社長白井様の奥様が弊社ideacoの製品のファンでいらっしゃってニトリの製品デザインをこのイデアさんに指導していただいたらとご主人である白井様におっしゃったことがきっかけでした。

似鳥会長も白井社長も本当に尊敬に値する人格者でいらっしゃってニトリの社員の方々も素晴らしい理念を共有された人となり企業であります。お値段以上というコンセプトは私たち日本人が欧米並みの豊かな生活暮らしができるように自分たちがその暮らしを担える存在になろうという利他の思いから事業が成り立ち様々な革新を実現され今日の超優良企業ニトリを作ってこられました。

ここから少し自慢話になってしまいます。ほとんど知られてはいませんがニトリさんとideacoのコラボによる商品開発、私たちはニトリさんの事業理念に共感し、また国内外の生産ネットワークと開発技術力によって、高品質なデザインをポピュラーな価格で消費者に供給できるニトリさんと組めることは、私たちの素晴らしい社会貢献につながるという思いでもって数年前よりコラボな取り組み始めさせていただいています。

私たちのコラボによって生まれた製品が消費者の方々に支持されニトリオリジナルの大ヒット商品となりそして定番アイテムとして売り続けられていることは私たちの誇りでもあります。これからも次々とそのような新製品をコラボで開発していきますのでご期待いただきたいと思います。

2021-05-07 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす