デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 3

デザインは今の信号でありそれは常に産業構造上トレンド的要素を含みその多くはメディアによってコントロールされているものものであると言う話を前章で述べました。ではそのパーツ、デザインの要素についてお話ししようと思います。洋服であればそれは素材・色・シルエット・ディテールという要素の変化を捉まえていきます。例えば色が変化して他の要素が変わらなくてもそれは見た目の大きなインパクト変化を生んでいきます。

流行色協会はそのデザインの要素の一つである色だけにフォーカスしてその変化を毎シーズンレポートしています。ただしその内容は複数の多くのテーマが編集されそれを活用しようとしてもなかなか捉え所が無い事も事実でデザインの現場では、きっとそのように感じられ実際活用できない事を経験なさっている方も多くいらっしゃる事と思います。

そのパーツを活用する以前に自分たちが理解しておくべき大切な要素、実はそれは時代の気分を理解するという事です。それは私たちが今という時にあって、どのような気分の中にあって今後どのような欲求が拡大しようとしているのという心理的欲求にフォーカスする事です。

昨今先進国は少子高齢化、格差社会が進む低成長経済下にあって閉塞感が拡がっています。これはカレントと呼ばれる時代の要請、潮流ですがトレンドに大きな影響を与えています。積極的には環境保護や技術革新に対する期待もトレンドを形成させる要素でもあります。

このように将来への様々な不安が拡がる社会にあってインテリアでは昨今暖かみの有るグレイや中間色がベーシックカラーとして注目されていますが、この色の持つキャラクターはそのような閉塞的状況の中で暖かく安心でき安らげる環境を手に入れたいという心理的欲求を写し出しています。

今時代は落ち着ける居場所ハイタッチを求めているわけです。色にしても素材にしても人に対しそのような気分を形成する役割がデザインには求められています。そしてそれに変化を促すアクセントな役割、それこそが実は個性を形作るトレンドパーツであります。このパーツはシーズンによっても変化していきます。色のパーツでは昨年はピンクカラーファミリーでした。今年はグリーンですね。その背景をまた探ってみてください。東京都議選挙、希望の党もどなたがプロデュースされているかわかりませんが、そのような時代の状況を捉えグリーンをうまく取り入れられています。

2017-10-10 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす