デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 5

デザインは良いモノが出来たものと思いデザイン賞までいただいたのだけれども販売がうまく進まず結果的に失敗であった。このように商品にならずに作品で終わってしまう製品が多々あります。

デザイン賞はデザインという作品を評価するものであって商品を評価するのはエンドユーザーの一般のお客様です。そしてその評価の代弁者が小売店で活躍されているバイヤーさんたちです。

売れない製品を作ってしまい大量の在庫を抱えて欠損を出す、このような失敗のデザインマネジメントを重ねていたらやがて会社の存続さえも危ぶまれる事になります。

ideacoの製品は金型に何百万と言う投資の必要な樹脂製品が多くあります。

金型と商品仕入れを合わせればうん千万というリスクに挑戦するわけですから、良いと思えるデザインが出来たから作ろうという軽はずみな判断では進められません。その製品の市場性マーケットボリュームと自分たちが販売できる数量、仕入れ原価と販売利益、その投資と回収の損益分岐をシュミレーションし商品化の判断材料としています。そして私たちが最も重要な判断の材料とさせていただくのが、お客様の声であり反応です。

実はideacoには僕たちを応援くださって非常に厳しい意見をくださるお客様が数名いらっしゃいます。実はそのお客様方の厳しい意見を聞いて回る事が、私たちの最終的な商品化の判断材料となります。常に客観性を取り入れ耳をダンボにして情報を吸収させていただいて、より良いモノに企画の精度を高めデザインを洗練化させていきます。

ただし最終的な判断はその企画やデザインに対しどれほどの熱量を注ぎ込み創意工夫を重ね続けることができたか自分たちの自身のありようが判断材料となります。その熱量がバイヤー様に伝わりエンドユーザーの方々にも伝わる。

それは結果的にデザインマネジメントの成功をもたらしてくれることになります。科学的な手法を持ち込む事によって、さらに自分たちのモチベーションをエナジーをアップアさせていくわけです。

2017-10-24 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす