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ニューミニマリズム

ここ最近ミニマルなものが人気を集め、トレンドとして取り上げられている状況をどう考えますか?ミニマルデザインの源流はそう私たちの住む国この日本にあります。

近代建築の巨匠、ル・コルビュジエその彼のデザインに多大な影響を与えたのは桂離宮に代表される簡素な日本の建築にあると晩年語っています。モダンデザインの源流は実は日本にあるのです。

よく僕たちのデザインの業界では日本の文化に代表されるミニマルデザインの事をどんどん余計なものを削ってカタチにしていくと言う意味で引き算のデザインと表現しています。

相対してヨーロッパに代表されるゴシック様式教会建築。どんどん多くの装飾をこれでもかと足して施す事で荘厳な世界を創り出し権威を知らしめていく装置としての建築。

これら様式の違いを生み出した要因は地理的条件や気候風土、社会構造、宗教観などによるところですがそれは今回書いていたら長文になってしまいそれを述べたところで過去多くの論説も有りオリジナリティ性もないので書きません。

でも面白いのは日本人がミニマルデザインを世界にプロモーションしたのではない事です。今のニューミニマリズムもそうですが海外の人たちによって日本の文化の素晴らしさが紹介され、それが情報として拡散され周知のものとなっています。

このニューミニマリズムがトレンドとして拾い上げられるようになった背景には多くの外国人観光客ツーリズムによる情報の拡散によるものであると僕は考えます。観光亡国論の著者であるアレックス・カーさんの日本文化再発見の影響もあるかとも思います。

ここ最近のトレンドとして拾い上げられているニューミニマリズムですが、それはサスティナブル社会の実現という時代の要請であり一過性のものではないカレント(潮流)と呼べるものであると思います。

なるだけモノを持たない必要最小限の道具で暮らすコトの贅沢、ゴミを出さないコトのリデュース・リサイクル環境貢献、エネルギー消費を抑え無駄をつくらない、装飾的な要素を排除しシンプルに単純化してデザインするキモノファッション、なるだけコンパクトに最小で最大の効果を実現する"Less is More"所有から使用価値へのMaasモビリティサービスのコンセプトなど新しいビジネスアイデアの要素、それらのコンセプトが全て日本の禅や茶道、里山生活、武士道、日本神道など日本の生活文化や宗教観のあらゆるところにつながっていると考えられます。

ideacoの製品も日本の生活文化、宗教観、美意識に全く繋がっている状況から誕生しています。

2019-06-28 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす