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しのぎを削る PB開発

皆さん商品の販売や開発に携わっておられましたらPBすなわちプライベートブランド商品開発のニュースを最近よく耳にされる事と思います。

PB商品は元々米国の何千店舗も展開するチェーン店によって開発された自社店舗のオリジナル商品の事を指しナショナルブランドNB品に対しプライベート称してPB商品と言われた事から始まりました。

その開発の目的は今迄のホールセラーからの仕入れを直接製造メーカーからの仕入れに変える事でホールセラーが得ていた利益を自社に取り込むと同時に消費者により安価に提供することで競争力を高める事を目的としたものでした。

日本でもダイエーやヨーカ堂、イオングループなどが1970年代からPB商品開発による販売がスタートしています。

今でこその良品計画のMUJI、その前身は堤さん率いる西武グループ量販チェーン西友のプライベートブランドでありました。そのプライベートブランドが独立小売り業態として発展し今現在のMUJIと言う小売チェーン店となりました。

懐かしい話、私が学校卒業後始めて勤めた米国のマーケティング会社ではそれら流通企業PB製品開発のコンサルティングを行っていました。

そうした中昨今、このPBと呼ばれる製品の開発が加速しています。

どうも失敗の様相を呈しているZOZOTOWNネット流通のメンズスーツやキャリアスーツのPB開発。量販スーパーの様々なオリジナルPB食品の開発、日用消耗品のオリジナル化。またホールセラーが開発して流通させているPB商品。

製造業者のEコマースの直販店舗で販売される製品もPBと言えばPBと呼べるものであると思います。

小売がオリジナル製品を開発する、問屋が作る、メーカーが自社製品を小売する。今それらが業種の垣根を越えて入り乱れてひしめき合い作る売るの競争でしのぎを削るPB化がますます進んでいます。

その中で最後に残るPBとはなにか?それはシンプルに美しい素朴的な絶品、使い勝手の優秀な定番品でありまたサスティナブル社会実現に貢献できる製品であるのだと思います。

メーカーは製造業者としての技術の強みをカタチに、こだわりの逸品はその独自性やデザイン性に磨きをかけオンリーワンを目指し、小売チェーン店は量産製造直売の品質と価格で普遍的な価値を武器に。

それらPB製品が百花繚乱する中その競争に残れる製品は2つのタイプ、これが良いと名指しでエンドユーザーに選んでもらえるこだわりの逸品か、これで良いと選択されるリーズナブル・普遍的な環境製品か、その2つに極められていくのだろうと考えます。

2019-08-02 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす