デザイン経営の核心

デザイン経営の核心 4

「発想力と創造力」

発想力・創造力何が違うんだ?

実はこれって大きな違いがあるのです。発想する事はその価値の差はあれ一人だって出来るのですが、これ創造力となるとその発想をカ・タ・チにする力が求められてきます。

ここに大きな違いがある訳です。モノ・コトをカタチにする事はアートを別にして一人では出来るものではありません。色んな人たちの力添え社会性が必要となります。

僕はideacoのファーストプロダクト傘立てCubeをカタチにする時その事の違いを体験する事になりました。それまで他企業さんの商品開発の指導で発想を提供していた業務から今度は自分でそれをカタチにする創造力が問われる仕事に一歩足を踏みだした訳です。傘の先端だけを挿入して傘を収納保持するまだ世の中には無かったユニークな発想デザインであっただけに、どう作れば良いかどう販売すれば良いかも手探りでした。その時の自分の行動は「こんなモノを作りたいそれが僕の夢なんです」とまわりの誰彼となくの話していました。

その傘立てをどう作れば良いかという場面では今現在も私達の大切なパートナーである台湾の方と出逢いがあり工場をオープン仕立てと言う中国のメーカー社長と出会いその発想は商品という創造に発展しました。

物事を発想し創造に結び付けるもの、その体験から結果として気づいた事、それはただただ願望と夢なんだ!ということです。夢や願望が人を動かし協力者を招き寄せ創造をカタチにさせてくれる。ただ同じ願望の中にも質の悪い願望も有るのでそこは気をつけて自分を観察しなくてはなりません。その判断基準は“動機善なりや私心なかりしか”・・・です。

自分にとって都合の良いだけの利己的な願望は創造には至りません。もしそれが創造に至ったとしたらそれは世の中に迷惑をかけるものになります。

“動機善なりや私心なかりしか”この言葉は京セラ名誉会長稲盛和夫さんからの受け売りです。それを判断の基準にしなさい。そう判断できた願望であるならそれは創造に値するものであると言う指針です。

ideacoのデビュープロダクトCubeの商品化は、創造力とは夢や願望の力と同じくであるということを体験した出来事でした。デザイン経営も同じく夢や願望というビジョンが明らかとなり宿る中にあってこそその新しい創造デザインの扉は開かれていくということであります。

2021-03-26 ©Ichiro Haba
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