デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 12

「デザインマネジメントってそもそも何?」

言いたいことを言わせていただいております独断毒舌と偏見のこのデザインマネジメント講座。

さてそもそもデザインマネジメントって何のこと?その仕事のそもそもの意義目的は何なの?

それを改めて整理してみようと思います。マネジメントとは管理の仕事を意味します。ええっデザインのマネジメントなのだからデザインマネジメントって感覚的な仕事じゃないの?いえいえマネジメントは全く感覚ではありません、数字に基づくものであり科学的で論理的で客観的なものの見方を行うものであります。

デザインをマネージする人はデザイナーではありません、がしかし・・・・デザイナーでオーナーとなり成功する人の大半はこの経営管理マネジメントセンスを持ち得ているという事実を認識する必要があります。正直この経営管理センスのまったく無いデザイナーがおられるとしたらその方はデザイナーではなく本来アーティストであるべきキャラクターの方ではないかと思います。あるいは組織の中にしっかりとした経営管理の出来るマネージャーさんがおられてその方のディレクションに従って活動を行うという体制がアーティストの方には不可欠ですね。自分で自分を売り込む事はタレントさんにもアーティストにも無理です。やっぱりそこにはマネージャーさんが必要です。

デザインディレクターという立ち位置の仕事も又イコールデザインマネジメント業務の遂行です。デザインに関わる人材と体制、仕組みと時間を管理する仕事それがデザインマネジメントです。

そして優れたデザイナーにはデザインの経営管理能力が不可欠であります。管理内容は限られた時間の中でのデザインが成功する為の行動計画の管理、製品であれば作り方と調達方法、調達ルートそしてコストの管理、そして大切な品質に関わるマネジメント、加えて販売マーケティングに関わるアクセスポイントの見極めと値決め。それら全てのデザインの適性を生んでいく為の組み立てと進行を管理する仕事がデザインマネジメントになります。

そして大切な事はその組み立ての中に多くのクリエイティブを興す必要があると言うことです。マネジメントもまたクリエイティブ活動なのです。

ただ手順を追って管理するというだけではなく、生産性の向上の為に、品質の適性を確保する為に組織のモチベーションを高め常に仕組みを創意工夫していくという活動、仕組みをデザインするという仕事それがデザインマネジメントです。

デザインというものは何もモノや空間、平面だけのものではありません。優れた仕組みをデザインする事、その重要性を優れたデザイナーは知っていますし、その仕組みからもたらされるものが優れたデザインという成果を生んでいきます。優れたデザイナーイコール、デザインマネージャーでもあるという事です。

2017-12-05 ©Ichiro Haba
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