デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 13

「売れる保証の分水嶺」

デザインマネジメントとはデザインを数字に置き換えて客観的に管理評価する仕組みですと前回の講座ではお伝えしました。もっと単純に考えますと売れる保証を手に出来るように管理するという事です。

売れる保証の無い製品をプロダクトアウトでどんどん作って在庫の山を積み上げる、その先は過剰在庫、デッドストックを持ってお金が回らなくなり会社は倒産ですよね。在庫はメーカー業であっても小売業であっても恐ろしい敵なのです。在庫があるから売上を作れるという考え方があるとしたらそれはマネージャーではなく完璧なギャンブラーですね。一発は当たるかもしれませんが将来必ず破綻します。

売れる保証という事であれば、最近はネットのレビュー書き込みというものがその製品の評価として販売に大きな影響を与えています。

Amazonでは販売前にバインというモニタリングリサーチによってその製品の商品性をリサーチするとともに販売の活性化に使うという仕組みを持たれています。ニトリさんのような小売り流通企業では必ず量産に入る前にセレクトされた数店舗で試験販売を行い、その販売のレスポンスの数字を見て調達量と展開店舗数を設定され現物の生産発注が行われます。

そのようにデザイン品質のユーザビリティ製品価値に対する消費者からのレスポンス、すなわち売れる保証を手にする手段を各々企業それぞれが独自の仕組みを持たれています。

さぁideacoが持っている売れる保証を手にする為の独自の仕組みは???

実はideacoには私たちの製品デザインや開発に対し忌憚ない意見をくださるパートナー、モノも知っているし作り方も知っている、消費者の顔を知る売り方も見通せるという流通企業のスーパーバイヤーさんが数名ですがいらっしゃいます。

バイヤーさんは毎日自分たちのお客さんの要望と向き合い毎日の売場の変化、生の情報を常に肌で感じておられますから、今どんなニーズがアップして何がスローダウンしているか、どのような価格帯がどれほどの量が出て行くかなど今という現場のリアルな感覚を宿しておられるわけです。企画段階で私たちはそのバイヤーさんたちに自分たちのデザインをチェックしてもらっています。この情報を入手する事が私たちの売れる保証を手に出来るかどうかの分水嶺となります。

そしてその意見をいただく中で大幅にデザインを変更する、企画そのモノの見直しをかけるなど、より売れる保証を手にするため商品性に磨きをかけていきます。これも私たちが持つバイヤー様のお力をお借りしながらデザインマネジメントを進めていく仕組みの一つです。

2017-12-08 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす