デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 14

「要素還元」


デザインマネジメントの基本はデザインを客観的に管理評価する仕組みですとお話ししていますが、これは要素還元という行為を通じて自分という人生の主役を客観的に捉え自らプロデュース、マネジメントすると考えれば面白くなります。

仏教ではそのことを内観と言って自分の心の中を見つめる行為。心に描いたものが現象となって現実化していく体験を皆さんお持ちでしょうか。

要は自分の趣味や志向性、行動特性等を俯瞰し観察するという行為のサンプリングを通じてトレンドやカレントを読み解いていく事は仕事の上でもデザインマネジメントにしっかりリンクしてきます。

この要素還元の結構面白い所は、自分を人生の物語の主人公のように捉える事が出来る事です。一度きりの人生どのような人生を自分は描いていくのか、そしてその自分は今どこに居るのか、どのような存在なのかという事を客観的に観察するわけです。

たとえば自分の好きなビジュアルを集めて壁一杯に貼り出してみてください。そこにはあなたの趣味の世界が写し出されているでしょう。そしてその世界を写し出している自分というものが一体何を求めているのか、何をここち良いものと感じているのか将来どのような世界を手に入れたいと望んでいるのかといった自分の姿を客観的に捉えてみる事が可能になります。

この要素還元のアプローチは物事を客観的に捉まえる事の出来るトレーニングの一つでもありますし、自分の人生デザインの設計図を描くアプローチの手段にもなります。

2017-12-12 ©Ichiro Haba
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