デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 15

「Design thinking」


デザインシンキングという表現を最近良く耳にします。

僕はその言葉にシンプルの基本に立ち戻れという意味合いがあると感じています。なんやら色々デザインワークに関わる新しいカテゴライズされた表現が次々と手を変え品替えて出てきます。

この講座もデザインマネジメントという看板で色々のたまわせていただいておりますが、デザインプロデュース、デザインマネジメント、デザインシンキング、デザインオルタナティブ、デザインイノベーション、ノーデザインなんてさっぱりわけのわからない事をおっしゃる方もいます。

デザイン業界人はそんな言葉を駆使してシンプルな考える事、発想する事、計画する事、デザイン設計するなどの行為をファッショナブルに複雑化して表現して見せて、何かそこに特別なノウハウが宿っているかのように思わせるのが昔からこの業界に住まうものの習性であります。

とくにデザインコンサルという仕事を営んでいる方々は言葉の大風呂敷を拡げてみせる事でコンサルフィーをバブリングします。

僕が企画デザイン、マーケティングの仕事を始めた1970年代当時、コンセプトという言葉が魔法の言葉のような価値を生んでいました。

当時はその言葉に沢山の人がだまされバブルワールドへ突っ走っていきましたました。海のものか山のものかも分からない単なるジャストアイデアを未来を創造するかのようなコンセプトという伝家の宝刀に変えてみせるには都合の良い言葉でありました。

コンセプトをすごいお金で買ってくださる方も多くいらっしゃったのも事実です。

さぁデザインシンキング飾られた言葉に振り回されずに、もっともっと物事をシンプルに捉えて発想し企画を組み立てデザインを展開すればそれは人に響く本質的な価値を生んでいきます。

人間って単純ですよ、その本質を無視して複雑でロジカルな手順を用意して答えを求めようとしても最後は感情でばっさりやられるのが落ちです。

デザインマネジメントもシンプルに考えていく必要があります。時代は本質を求めはじめています。

複雑な色んな飾りを取り除いてみればそこに光り輝く本質が見えてくる。その本質を掘り起こしカタチにしていくデザインマネジメントのテーマです。

2017-12-15 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす