デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 18

「値決めの仕方」

僕が尊敬申し上げる偉大なる経営者の稲盛和夫氏曰く“値決めは経営”である。

それほど値決めというものが、商品としての成功、事業の発展・成長・継続の全てを司るものであると言う。それはお客様が喜んで買ってくださる最高の値段を見抜く事であるとご教示いただいた。この値決めが事業のすべてを決定づけるというのである。直接的にはお客さんとの関係である値決めは一方では競合他社との競争関係の中で優位なポジションが確保できるかどうか算段されなくてはならない。

そしてそれはまた調達先仕入れ先さんから受け取る製造原価との関係、輸入品なら為替レートとの関係、商品パッケージ、カートン設計と物流コストとの関係、また発注数量とリスクによる調達コストとの関係、また支払いに関わる条件との関係、販売ルートのワークシェアリングの関係等それら様々な変動要因の中でお客様に喜んで買っていただける最高の値段を見抜いていかなくてはならない。

まずもって大切な事は、まず値決めありきの前提の基にデザインを設計を開発を進めていくという事である。決して原価の積み上げに寄る製品上代小売価格を決めていくようなプロセスマネージメントを行ってはならない。自分たちが消費者としての視点となってその値決めを行わねばならないし、その値決めの実現はエンドユーザから価格に対しての共感を得る為の自分たちの努力目標である。

まずはそれを決めてかかり、その目標をクリアーしても自分たちの適正な利益が確保できるように全ての事業プロセスにおいて創意工夫を繰り広げる事によって、自分たちの競争力は高まり結果としてお客様良し自分たちも良しそして利益を得た結果税金を納め世にも役立てる三方吉を生み出す事が出来る。

2018-01-10 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす