デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 28

「DESIGN THINKINGセミナー序章3rd」

前回の講座序章はDESIGN THINKINGの必要条件“わくわくそしてはみ出す”でした。

今回はもう一つの必要条件・そ・も・そ・も・を説明します。

最近本質の時代とか本質が問われているなど本質という言葉を巷でよく耳にしませんか?コピーライターの糸井重里さん等はその本質を鋭く突いて宣伝広告の・つ・か・み・を創作してこられています。そのような彼のメッセージにはいつもハッとさせられます。

少し古くなりますが、日産自動車の“ くう ねる あそぶ ”そうですよね、人間は仕事以外の人生ってまさに食うか寝るか遊ぶかしかない、その生活で活躍してくれるクルマという存在にフォーカスしたコピーでした。

また矢沢永吉の“ よろしく! ”多くを語る事のないエイちゃんはその一言ですべてを片付けちゃう事の出来る男です。そんな風にまさにワンフレーズでその存在の本質をシンプルに突いてイメージを表現するセンスは素晴らしい。これこそその存在の本質を見抜いた核心と言えるものだと思います。

物事の本質はシンプルです。それをああでもないこうでもないと複雑化してしまっているものは何でしょうか?うまいものはうまいし、まずいものはまずいのです。うまいものが何故うまいのか理屈を並べ立ててああでもないこうでもないと説明を重ねて行く、そのような行為が世の中をどんどん複雑化させてしまいます。この世の中で私たちが日頃、目にしているもの、そのすべてを現象と見てとってください。それは木で例えるなら果実、枝葉末節です。

今これが流行っているよ、こんな事をすれば儲かるよって私たちはそのような情報がバラまかれる世の中に住んでいて最近ではフェイクニュースも問題視されていますがそもそもまさに私たちはそのような情報にコントロールされ情報に振り回されているとも言えるような状態に日常があります。これこそ情報化社会のありがたい所でもあり弊害となる部分でもあります。そのような現象を生んでいる・そ・も・そ・も・の原因はどこに存在するのでしょうか?それは木で例えるなら眼には見えない根っこにあります。

現象を生み出しているその因は根っこに有り、因果応報という世界を作り出しています。そしてその根っことはまさ人間そのものなんです。人が全ての現象世界を作り出しているのです。そして遺伝子を操作し神にも迫ろうという時代を迎えつつあります。

デザインシンキングはそのようにそもそもの原因、人間の本質に眼を向けるという視点を持ちます。そして全ての創造活動もこの人間の本質である根っこが生み出している現象なのです。

そのように見て取り根っこにフォーカスしてみてください。顕在意識で見る事の出来る現象の世界、潜在意識が活躍する根っこの眼には見えない世界。そこにある情報こそがそもそもの本質と言えるものであります。今目に見えている現象を生んでいる要因はどこのどの原因に帰するものであるのか?その根っこの姿を常に掘り下げて見ていくように考える癖を持ってください。そしてその掘り下げて考えて見えてきたものその本質を自分のデータとして蓄積していくようにしてください。それによってあなたの頭の中にある知識が見識と呼べる本物のデータとなって蓄積されていきます。

そのデータを活用する事で私たちはクリエイティブなデザインシンキングを行う事ができ社会に貢献できるイノベーティブな視点を生み出す事が可能となります。

2018-02-20 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす