デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 35

「DESIGN THINKINGセミナー後 6」

デザインをマネージメントするには人格と言える判断の基準というものがそれぞれのブランドや会社にあります。

その判断基準というものがそのブランドや企業の文化を形成させています。判断の方法は売れるか売れないかというような一面的経済的な判断だけではなく社会的な意義や会社としてのイメージといったように多面的に判断を行う事が必要ですし、そのデザインによってその先に起こりうる事を予測する力も必要になります。

数字というマネージメントの物差しがある一方で、自分たちの生き方に相応しいかどうかという理念による所の物差しも必要です。

例えばいくら儲かるからといっても、デザインをコピーし他の人の財産を横取りをして我が儲けとするような人間として間違った事はしてはならないでしょうし、いくら格好が良くても安全基準を満たさないようなデザインは当然却下すべきでしょうし、何を優先して判断を行うのかという基準を明確に持てている事がマネージメントの基本中の基本であります。その判断基準がブランドや企業の姿勢というものを形成させていきます。3年や5年という短いスパンで見れば間違った事をして成功するサンプルを良く見受けるでしょうけれども20年30年という長いスパンで見れば間違った判断の行き着く先はその組織にとって決して幸せな結果とはなりません。

デザインというと常に見た目の判断を優先するように思われがちです。しかし最も大切なデザインマネージメントの基準はその製品の素状が美しいかどうかという事です。

2018-03-27 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす