デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 38

「ブランドマネージメント 1」

僕らの仕事、業界の中でブランディングについて論ぜられる事がよくあります。

しかしその本質について理解されておられる方も少ないように思います。

マーケティング論で展開される理論は全て後付けで過去の出来事、事象をつぶさに調べればこういう事であったという事を体系立てた知識としてまとめられ、それを後進がなぞらえてマーケティングを成功させる事が出来ますよというコピーワークの指南書になっています。同じようにブランディングについてもブランドマーケティングやなんやかやアレヤコレヤと複雑化して語られます。

そのように先人に学んでコピーしベンチマークを徹底する事で早期に目標とする成果を実現する事は可能ですがブランディングの本質はそこにはありません。それをシンプルに捉えその本質について考えてみることにしましょう。

デザイナーはよくブランディングには視覚的要素が大切ですからしっかり良いデザインとネーミングが必要です、それをうまくやれたらブランドは成功する、これがブランディングなのですなんて吹聴したりします。

嘘ではありませんが本質から完全にずれています。

世の中を見てください、そこら中に黄色や赤や青や緑百花繚乱ブランドだらけです。AではなくB が良い、いややっぱりCでしょうといくら化粧をした所で正直50歩100歩です。そこにブランディングの本質はありません。

ブランドの本質はその集団を司る理念でありトップリーダーの個性であり人格にあります。まさに文化があるかないか、コーポレイトカルチャーそこにある個性というものこそブランディングの本質です。文化も無いものに文化の香りを装飾し化粧をする。いくらお金を使い広告をうち知名度・市場での認知度を上げても長い目で見てくださいその本質は見事に市場には寸分の狂いもなく伝わっていきます。

要はブランディングの本質とは、ある個性自分たちのオリジナリティを特定選択しそこに向けて自ら磨きをかけ続ける事であり、その結果として放たれた個性がブランディングを実現していく。私はそのように考えています。

ブランドという人格と社会との共感軸とそこに放たれる個性を明確化し定義しそこに集中する事によってブランディングが実現していく、そう捉えて正解であると私は考えています。

2018-04-06 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす