デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 4

商品(製品×売り方)制作を管理する上でいつも悩まされるコストとデザイン

販売価格の適合性の問題。

さぁ皆さんはこのアプローチの手順をどのように管理されていますか?

まずはその製品のコンセプト、価値に対してお客様に喜んでご購入いただける最高の価格をまずは見極め設定する事です。その最高の価格という背景にはどの売場で販売するものなのか、その売場で購入されるユーザーの顔を想定する必要があります。それを私たちはマーケットセグメンテーションと呼んでいます。売場は製品を販売する器です、その器の違いによって最高と設定できる価格レンジは大きく変化します。

価格レンジによって当然販売数量は当然異なってきます。価格レンジが販売ボリュームを決定づけます。加えて市場には競合製品も存在します。競合に対する優位性を確保する上でそれらもベンチマークしながらその製品価値に対する価格適性を見極めていくのが製品に売り方という商品政策の視点を取り入れた最初のスタートとなります。そこから次に調達コストの目標を設定します。

これは自分たちの利益、サプライチェーンの利益様々な利益をシェアーする中での調達原価適性という判断、目標設定を行います。その製品が市場において他に類を見ない圧倒的なオリジナリティを有する場合はプライスリーダーとして走り出す事が可能ですが、たとえその環境下でスタートが切れたとしても成功すればするほど必ずコンセプトコピー製品が出現します。次のステージでは価格競争のステージに入ってくるわけです。

プライスリーダーとしてのポジションを保つ為には特許や意匠権、製品のコンセプトを商標化する等、知財の確保によってリステージ(物まね安売り企業)に対する優位性を維持する必要があります。それらを想定した上で設定した調達原価目標をクリアーし品質や生産性、調達ルートの選定など開発は試作と調達コストの適性を確保する為に創意工夫を重ねていきます。その原価の中には工場における材料選定品質適性と生産性(生産に要する時間、歩留まり)や物流(製品を運ぶ上での費用)製品を安全に破損無く顧客にお届けするまでの梱包仕様の適性確保等様々なポイントに対し創意工夫を繰り広げる必要があります。それによって製品デザインを見直すが必要が生まれてくる可能性もあります。

またパッケージのデザインも売り方デザインの一部になりますが、なるだけコストを抑え販売価格を抑える事で商品力とするのか、あるいはギフト性を高めたパッケージの開発を優先確保するのか、その選択も商品コンセプトを実現する為の大切な判断、マネジメントとなります。

2017-10-13 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす