デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 40

「マイナーブランディング」

「醤油と言えばキッコーマン」「ソースと言えばイカリ」「ゲームと言えば任天堂」と言ったようにある品目カテゴリーを聞いた時にまず先に思い浮かべるブランドをマーケティング業界では私たちの心の頂点に位置するという意味でトップオブマインドと表現します。

これは、ほとんどが体験というよりはT V C Fによる消費者への繰り返し刷り込みによって実現されます。このトップオブマインドは大企業のブランド知名度のランキングとして存在しシェアーの競争にとってとても重要なターゲットになります。野球で言う所のこの世界はメジャーリーグです。

では私たち中小企業のブランディング、ブランドマネージメントについて視点を移すとそれはマイナーリーグというか地方リーグで繰り広げられているマーケティング活動でありメジャーリーグの活動は全く参考にはなりませし参考にした所で真似る事も不可能です。むしろ真似る事で災いが生じます。マイナーリーグにはマイナーリーグとしてのブランディングの道があるという風に考えられたらよろしいかと思います。

さてその2つの違いは何かと言えば、マイナーはメジャーになってはいけないという事です。メジャーになる事でブランド価値が失われていくという事なのです。広く拡げない深く掘り込んでいく、その視点に私たちが発想するマイナーブランディングの本質があります。

ブランドもデキモノと同じで大きくなればつぶれます。何百年も長く続く老舗の姿を見てください。成長・拡大・肥大を良しとはしない家訓・社訓がそこには存在します。

一方ではブランドはデキモノと鼻から見立ててマネージメントする企業グループもあります。流行で勝負する水物アパレルブランドなどはその典型であり、つくしのようにブランドを乱立させ、ある程度成長し儲けるだけ儲けたらそこでつぶす、その新陳代謝を繰り返す経営マネージメントの仕組み、それはそれとして正解だと思います。

さて拡げずに深く掘り込んでいくブランディングとは?

2018-04-13 ©Ichiro Haba
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