デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 45

「リベラルアーツと根っこ」

最近リベラルアーツという言葉が僕たちデザインやマーケティング業界で流行しています。

スティーブジョブスが「我々は常にテクノロジーとリベラルアーツの交差点に立とうとしてきた。技術的に最高のものを作りたい。でもそれは直感的でなければならない。これらの組み合わせがipadを生み出した」とかつてプレゼンテーションしたと聞きます。

これはまさにこれからの時代を予見するビジョンであったように僕は思います。第四次産業革命が始まりAIやIoTの技術革新が経済を進展させ人間の生活をより豊かにしてくれようとしている。そのテクノロジーはしかし一方でボタンの掛け方を間違えれば原爆や原発のように人の考える力を退化させ不幸にしてしまう。

そこにはリベラルアーツ(人を自由にしてくれる技)という人間の本質を直感的に理解するような見識、知性と教養が必要なのであると言う。その存在がテクノロジーとの交差点に立つ時に始めて人間というものの存在に豊かさをもたらす事が出来るというビジョンが生み出される。

それは僕の持論で言えばまさに根っこの存在を理解し人の本質である根っこに眼を向けるという事に他ならない。哲学・歴史・音楽・絵画・文学・言語学・宗教・生物学・文化人類学・経済学それらの学問も人間本来の教養と知見をもって見識とすることで従来の枠組みの中にはない潜在能力によって引き出される自由な発想で学び創造活動を行う姿勢の中に新しい人の暮らし、もっと言えば命を育む命を繋ぐというビジョンが求めることができていくと考える。

2018-05-08 ©Ichiro Haba
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