デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 52

「未来をデザインする」

少子高齢化、格差社会、マーケットの縮小、日本の未来に対する悲観的な話をよく耳にします。そんななか何としてでも経済成長という目標を実現しようと国債を増発し借金を重ね、年金マネーを株式市場の注ぎ込み株高に持ち込み資産バブルをつくる事で経済が上向いたかのような状況をつくる、一方で国の借金、国民の負債は益々膨らんでいきつつあります。

やがてその多大な借金のお陰で国家の信用が下降を始めると国債金利が上昇し、やがて国は借金を弁済できなくなり国家財政が破綻を迎えるような事になれば戦後のごとく70倍のインフレ、1000万の貯金もたった14万円の価値になる。

国は国民に新たに資産税を課したりや預金封鎖を実施し人やお金が国外に逃亡する事を阻止するようになる、今の延長の政策運営のままで進んでいけばこのような事が現実となる日がやってくる。

そのような危機感を持った所でそんな日がやってくるか来ないかわからないし、まぁやって来たとしてもそれはその時の事だよ。今が良ければそれで良いジャァ〜〜〜ン、まさに私たちは思考停止状態で生活する事を選んで進んでいるという事でしょう。

さて表題の“未来をデザインする”というテーマに向かい合った時、私たちは今の延長に将来はないという現実にぶつかってしまいます。消費税を上げて国家財政の健全化を進めると言えばそんな自分たちの負担を増やすような政治家には投票しないという国民が存在する、票が取れなければ政治を動かせない。

さぁ未来をデザインする事はどのようなインパクトを生み出せるのでしょうか?未来を考え向かい合うという事は今が良くなるという事でもある、私たちはそのような視点を持ちたいものです。

どういう事かというと未来をデザインしていこうという意志を持ち行動をはじめた時から私たちのデザインが未来を描き未来を担保する事になるという事です。今の借金国債の信用も保証されるという事につながります。理想を現実化しようと行動をおこす、環境問題や将来の社会問題に取り組んでいくというデザインと行動はすなわち未来に夢と希望を創り出すという事です。その取り組みや姿勢は信用という財産を形成させ新たな資産を生み出し国家としての信用をも担保していくのです。

未来を考え、痛みを伴おうともその事に真摯に取り組んでいくという事は現在に突然やってくるような破滅的な現実を避ける事が出来るという事でもあります。

2018-06-12 ©Ichiro Haba
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