デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 57

「未来をデザインするコンセプト 5」

都市の未来を考える・・・

我が社の在所大阪西区では人口が増加、近くの小学校では児童数がどんどん増え新たな場所に学校の新設が必要となりはじめているような状況です。老若男女問わず郊外からこの街なかへここ数年来移住が始まっています。

20世紀には考えられなかった現象です。

昔は少々通勤時間がかかっても空気が良くて緑が多い郊外に一軒家を建てそこで落ち着いて子育てをするというのが一般ファミリーの憧れでした。男性が働いて女性は専業主婦、そして子どもが二人、それが一般の標準的な家庭の姿でしたが女性も外で働きはじめ今やそんな家庭もごくわずかになりつつあります。共稼ぎのお家は貧しいお家と見られた時代でした。

もっと大きな変化は結婚そのものへの憧れが無くなり、生涯独身という単身者もどんどん増えきているという事です。

自己実現の為に結婚というものが必ずしも必要ではないという先進国の生活者の様相を現れています。21世紀に入り早々2007年に単身世帯数がファミリー世帯数を抜いて逆転しました。それら単身者にとっても子育てファミリーにとっても郊外の手間のかかる一軒家などは必要有りません。そして共稼ぎの子育て夫婦にとって一番欲しいのは子育てや自己実現の為の時間です。通勤時間を子育て時間にそして就業時間にまわし暮らしの質を高める為に街なかに住む選択をするこれが現在の状況です。ネット通販を活用する事も時間を有効に使う為の手段です。

このような変化の中にも未来のデザインに向けて大変重要な視点の一つが見えます。

それは時間をデザインの基軸に置くという事です。白物家電が主婦の労働を助け自由裁量時間を増やしてくれました。生活が便利にそして楽になってもまだまだ私たちは逆に忙しくなりつつ有る。悲しいかなスマホを一時も離す事が出来ないほどに落ち着いている暇などないわけであります。さぁこの先にどんな未来が拡がるのでしょうか・・・

都市にコンパクトに住まい縦横無尽に壮大な電脳空間を飛び回る・・・?

いやぁヒッピーカルチャーダイジングな米国西海岸ポートランドのようなコンパクトシティでスローライフを・・・?

2018-06-29 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす