デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 60

「未来をデザインするコンセプト 8」

世界を変えるデザイン 
世界人口の90%を占める貧しい人たちを対象とするデザイン

地球循環・命をつなぐサスティナブルな世界をデザインする事

この事が未来をデザインする上でファーストプライオリティなコンセプトである事は誰もが認識している明らかな事であります。デザインという行為も経済活動でありますから僕たちのデザインの対象者は最も豊かな人たちです。今日食べる食料にも困っているような貧しい人たちを対象にする事はありません。NYマンハッタンにあるクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館のキュレーター、シンシア・スミスさんという方が書かれた書籍「世界を変えるデザイン」はこれからの地球人の私たちに必要な視点を気付かせてくれます。

デザインの役割は、富裕層に益々満足してもらえるものをクリエイトする道だけではありません。それこそ未来を考えるなら地球上の人工の90%を占める貧しい人たちの問題を解決するデザインをクリエイトできればどんなに素晴らしい生命をつなぐ未来へのデザインが可能となるのか夢が拡がります。富裕層を対象にした高価な解決策を提供する事ではなく、低価格なオープンソースのデザインの提供にあります。

この事業を実現する為には日本政府の海外青年協力隊JICAや国連によって高い志を持って優秀な発想を生み出せるデザイナーを募りその現場に派遣する事であります。そこにある問題とニーズを発掘しシンプルな技術と低コストで問題解決のデザインに取り組む事であります。そこで発想するデザインを低価格で生産できる日本の高い技術にアクセスさせる。そうして貧困解決への道を描いていけるなら、未来の食料危機を回避できる地球が青年たちの知恵と行動によって実現されていく。

ただ一方では貧困層の食料問題の解決は人口爆発を加速させるような問題を引き起こす。そこでは貧困の解決と同時に人口爆発問題を防ぐ為の少子化政策や教育が並行して行われなければならない。その事の方がコントロールの難しい課題を生んでいく事になるのかもしれない。

2018-07-10 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす