デザインマネジメント講座

デザインマネジメント講座 72

「未来をデザインするコンセプト 20」

未来デザインの鍵

第4次産業革命という情報テクノロジーネットワーク社会の到来。

10年後、EVがクルマの売上の半分、田舎では配電スタンドが少なくハイブリッド車、ガソリンスタンドはハイブリッドスタンドに。内燃機関は必要無くなりクルマ部品産業は半分に。カーシェアリングの進展、先進国でのクルマの需要は現在の10分の1に。UBER ディーディー ダイムラーのCar2Go事業によってバンクーバーでは現在既に3000台、配車アプリ、カーシェアーの会社に収益が集まる。知識のメモリー、その頭脳のかなりの部分をAIが、肉体労働の部分をセンサー満載の機械が正確さを持ってになうようになる。

それはこれからの時代私たちの働く事の価値を大きく変貌させ、多くの単純な肉体労働・事務労働は売り物にはならなくなる。そしてAIや機械を使いこなす発想力・構想力とそれらを使いこなせる技術が価値を生む。今までの知識・常識では通用しない。創造力に満ちた夢を描きAI・機械を使いこなしより豊かな生活へ、持続可能な社会の実現に向ける情熱こそが未来を切り拓く。AIIotビッグデータ ロボティクス、変貌していく将来への恐怖から守りに入ろうとした瞬間に10年後の自分たちのビジョンは描けなくなる。自らの事業を捨て他の領域に攻め入る、自らを壊していかない限りこの延長線上に自分たちの未来はない。機械やAIが私たちの雇用を奪う。そう考えておられる経営者、管理職、事務職の方々が多くいらっしゃると思う。

マネージメンの基本はスタッフがここまで出来るというポテンシャルを把握しその人を伸ばしていこうというもの、今度はそれをコンピューターや機械に向ける。ユキビタス、画像認識・音声認識・言語処理、音の変化による機械診断音声インターフェイス・アマゾンエコー、チャットボット文字によるやり取り。マネージメントにはそのAIや機械を使いこなす構想力と統率力が求められるようになる。

また一方ではAI時代だからこそ人間同士の触れ合いにこそ光が当て直される・・・その部分を想像する事は人間本来の豊かさとはどこにあるのかという人の心の問題と向き合う哲学が先ずもって必要になる。その事の重要性、人間を知るという事の大切さに気付きを持って学びを進めておられる方は案外に少ない。

また一方ではそれら情報機器・情報ネットワークとは無縁の世界の重要性が増す。人工知能や機械が今までの私たちの働きを務めてくれるようになる。そうなれば機械が仕事をして人は何をするのか?そんな疑問が頭をもたげる。働く時間が減って食べる・寝る・遊ぶ・人同士が触れ合う時間が増えていく。その時間をどのようにデザインするか、そのテーマ・発想がこれからのデザインのカギとなる。

2018-09-14 ©Ichiro Haba
シンプルに美しく暮らす